雑誌・メディアで取り上げられました(朝日新聞)
「ブレンド米」が増加
業者はモラル向上を!
不ブレンド米と表示しながら、実は安いコメが大半だった事例が出ている。不正がふえた背景とは?
2001年10月20日 朝日新聞掲載
[内容一部抜粋]
コメの表示義務の厳格化で、市場にはどんな変化がありましたか。
「ブレンド米と表示したコメが急に出回るようになりましたね。これまでは消費者の銘柄志向を反映して、どんな安いコメでも『福岡産ヒノヒカリ』などと単一銘柄をうたっていました。それが同じ値段でブレンド米に表示が変わったわけですから、今までのコメは本物だったのかと言いたくなります」
単一銘柄で安く売るには限界があると。
「銘柄米の大半は玄米60キロあたり、卸の仕入れ値段で1万6千円以上します。仮に1万6千円として精米10キロに換算すると3千円弱。これに卸や小売業者の利益が加わりますから、スーパーが目玉商品として売り出す10キロニッキュッパ(2980円)という価格は出せません」
法改正の効果があったというわけですね。
「そうとも言い切れません。『コシヒカリブレンド』と袋に大きく表示しながら、実は別の安いコメが大半だったといった事例が出ています。有名産地のコメをうたいながら違う産地のコメを混ぜる昔からの不正もなくなってはいません。」
DNA鑑定で品種が特定できるようになったと聞きます。
「DNA鑑定では品種の違いがわかっても産地や収穫年まではわかりません。食糧事務所も品種のチェックだけで済ませています。古米やくず米を混ぜても品種が同じならわからない」
なぜ不正が続くのでしょう。
「コメ業界は旧食管法時代、規制は守られて経営は安定していました。ところが現在の食糧法に変わって自由競争になり、広告宣伝費などのコストも増えて経営が苦しくなった。これが不正が増えた背景です。」「いかに商品に特徴を出して消費者に訴えるか。業界の自己責任意識とモラルの向上がまず必要です。スーパーなどの大型店とも、価格面だけでなく商品づくりで協力できたらと思います」